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君は月夜に光り輝くの原作小説のネタバレを徹底解説!最期のお願いと結末についても

2019/02/20
 
この記事を書いている人 - WRITER -

「君は月夜に光り輝く」の映画が2019年3月15日に公開されます!

佐野徹夜さんのデビュー作であり、第23回電撃小説大賞で大賞も受賞しており、累計発行部数は30万部を突破し、デビュー作としては異例のヒットとなっています!

この記事では君は月夜に光り輝くの原作小説についてあらすじやネタバレを結末まで徹底解説!

読みたいけど小説は苦手な方や、映画を見る前に情報を入れておきたい方など、読んでないけど読んだ気になれるようまとめてみました!

君は月夜に光り輝くの原作小説あらすじ 結末についても

君は月夜に光り輝くのあらすじ

大切な人の死から、どこか投げやりに生きている高校生の少年が、「発光病」という不治の病に侵されている余命”ゼロ”の少女に「死ぬまでにしたいこと」があると知り、その”代行”をするという不思議な関係が始まってストーリーが動き出します。

代行を重ねるごとに、少女は人生の楽しみを覚え、少年は彼女に惹かれていく。

読む人みんなが涙した”今を生きる”全ての人に届けたいラブストーリーとは…。

引用:公式サイト小説紹介ページ

こんなあらすじを見るとよくある難病系ね・・・と思う方もいるかもしれませんが、読み進めると美しい世界観と深く考えさせられる話にどんどん引き込まれ人気に火が付き映画化される理由が分かってきます。

 

主要登場人物

・岡田卓也
中高一貫の学校に通う高校一年生。姉を失ってからは生きることに嫌気がさしている。”死”について何か思うことがありそう。

・渡良瀬まみず
卓也と同じ高校に通う高校一年生。しかし「発光病」という不治の病に侵されて以降、病院生活をしている。

・香山彰
卓也とまみずの同級生。卓也いわく、卓也の”恩人”

・岡田鳴子
卓也の姉、15歳で亡くなった。香山の兄の恋人。

・平林リコ
卓也のバイト先の先輩。リコちゃんさん。

・岡田恭子
卓也の母。姉を亡くしてからちょっと病んでいる。

・渡良瀬律
まみずの母。厳しい。卓也にいい感情を持っていない。

・深見真
まみずの父。とある理由で律とは離婚しており、まみずとも会えない理由がある。

・芳江先生
卓也達の担任の先生。教師になって日が浅い。

 

発光病とは

月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなる。
多くの場合、成人まで生きることができない。

この小説上に登場する架空の病です。

 

君は月夜に光り輝くのネタバレと結末 最後のお願いも

1章 桜の季節と、リノリウムの温度

私立の中高一貫の学校に通う卓也は、高校1年生になっていた。
中学から同じメンバーなので、周りはほとんど見知ったメンバーだが、教室にはひとつ誰も座っていない席があった。
高校に上がった最初のホームルームでの芳江先生の話と、同級生の「美人らしいぜ?」とか言っていた噂から、その席は中学1年の時より発光病を患って欠席している”渡良瀬まみず”の席だと知る。

 

数日後、まみずに渡すためにクラスのみんなで書いていた色紙が卓也にも回ってくる。
卓也が”3秒”で書き、次に誰に回せばいいかクラスメイトに聞いたところ、卓也と仲がいい(卓也は仲がいいと認めていないが)香山に渡してくれと言われ、香山のところへ。
卓也は昔香山から受けたある”恩”から、香山にあまり近づきたくないと思っていたがしぶしぶ香山のところへ行くとまみずの話題に。

 

どうやら香山はまみずのことを知っていそうだが、煮え切らない態度だった。
色紙を渡し、去り際に香山に見透かされたように「大丈夫か?お前、たまに病んでるからな」と言われたが「僕は正常だよ」と言って自分の席に引き返した。

 

ある日のホームルームで芳江先生から前述の色紙をまみずの病院まで誰かが届けに行ってほしいとの依頼に手を挙げたのは意外にも香山だった。

その顔は喜んで志願したというよりは、悲壮な決意のようなものだと感じた。

そして日曜日、卓也は香山から電話で呼び出しを受ける。
2人の間に休日に会うような習慣は全くなかったので、そのイレギュラーさから、面倒ながらも香山の家に向かった。
香山の要件は”風邪をひいたからかわりにまみずの見舞いに行ってきてほしい”というもので、有無を言わさず色紙やらプリントやらを押し付けられ、ドアを閉められてしまった。
そうして何一つ腑に落ちないながらも病院へ向かい、卓也とまみずは初めて出会った。

 

まみずはクラスメイトの噂通り美人だった。信じられないくらい真っ白い肌の美少女を一目見て卓也はどきりとしてしまう。
そこでお互いの自己紹介や、卓也の色紙のメッセージが冷たいこと、苗字はすぐ変わってしまうからと下の名前で呼んでほしいこと、
父親にもらったスノードームを大切に飾っていること等を話していた。
夕方になり、帰り際に「またそのうち遊びに来てくれる?」と言われ卓也は戸惑ってしまう。
まみずは病院食しか食べれず、母親も厳しい為になかなか食べることのできない”アーモンドクラッシュポッキー”が食べたいと卓也にお願いをする。

卓也は「まぁ、わかったよ」と深く考えずに答え、帰っていった。

 

翌日の放課後に謝礼代わりのアイスをおごってもらいながら香山と話す卓也。
香山はまみずの話題になると、前の苗字が”深見”だったことから、おそらく両親は離婚していることともう一つ頼みがあると伝えてきた。
香山の頼みとは、”まみずともう一回会ってほしい””いつ病気が良くなるか聞いてほしい”ということでまみずには香山のことは話さないで欲しいという理由のわからないものだ。

 

「自分で聞けよ」と卓也はうんざりするが、香山は去ってしまった。
卓也は電車に乗り、相変わらず変な奴だとか眠いとか考えていたら完全に乗り過ごしていた。
家から7駅も離れているその駅はまみずの病院がある駅で、まぁここまで来たからとアーモンドクラッシュポッキーを購入し、まみずに会いに行くことにした。

 

病室にはまみずが不在で、待っているのにも手持無沙汰だったので何気なくサイドテーブルのスノードームを振っていたら勢い余って割ってしまう。

その瞬間まみずが帰ってきて謝る卓也に「形あるものは壊れる。生きてて死なない生き物がいないのと同じ」という。
「なんでそんなこと言うんだよ」と言う卓也にまみずは、自分の余命が”ゼロ”であることを打ち明け、

「自分はもう死んでるはずだった。幽霊みたいなもん」

「私って、いつ死ぬのかな?」と妙に明るい声で言った。

卓也はその時、胸のどこかがざわつき、激しく動揺した。この感情がなんなのか、自分でも理解できなかった。
家に帰ってもずっとまみずが”死ぬのが楽しみ”みたいな言い方をしていたことを何故なのか考えていた卓也は、卓也が中一の時に車にひかれて死んだ姉”鳴子”のことを考え、死んだ時どうだったのだろう。最後に何を思ったのだろう。と考えていた。

 

翌日、学校で鞄を開けるとポッキーが入っていた。渡し忘れていたのだ。
散々いろいろ考えたが、結局連日病室まで行くことを決意する卓也。なぜまみずと関わろうとしているのか自分でもわからなかったが
きっとまみずのなにかが”あの時”の姉鳴子に似ているからだと結論付けた。
姉の死には卓也にとって”分からないこと”があり、まみずといることでそれが分かるのではないかと思っていた。

 

アーモンドクラッシュポッキーを食べて上機嫌のまみずから[死ぬまでにしたいことのリスト]をまとめている事を教えてもらう卓也。
けれどまみずは外にも出られないしそれを実行するのは不可能だ。
そのリストの中身が無性に気になる卓也は、気が付いたら「それ、僕に手伝わせてくれないか?」と口走っていた。
なんでそんなことしてくれるのか怪しむまみずに、”スノードームを割ってしまった罪滅ぼし”として、何でもすると言ってしまう卓也。
そこでまみずは「今、いいことひらめいちゃった」といい、[死ぬまでにしたいことのリスト]を卓也に代わりに実行してほしいという。
ここからまみずの[死ぬまでにしたいことのリスト]の代行をする生活が始まった。

 

最初の[死ぬまでにしたいこと]は”遊園地に行きたい”だった。
卓也は苦手なジェットコースターに乗ったり、甘い雰囲気のカップルだらけの喫茶店で1500円もするパフェを
「僕らの恋する初恋パフェ、ください」と注文したりした。一人で。

まみずは報告を聞いてご満悦だ。「やっぱり遊園地は一人で行くもんじゃないね」と笑っている。
そして新型スマートフォン発売のニュースを見ながら次のミッションが告げられる。
「私、徹夜の行列って、してみたかったの。」
いまどきガラケーは嫌だといい、お金はお年玉貯金がある!と半ば強引に卓也に押し付ける。
卓也はしぶしぶ引き受けるのだった。

 

深夜、卓也が家から出ようとすると母親に呼び止められる。
姉の鳴子が深夜に出て行ったっきり、交通事故に遭いなくなってしまってから、過保護ぎみに心配するようになってしまったのだ。

(本当は姉は恋人を事故で失い後追い自殺をしたのだが、その事実を知っているのは卓也だけ。)
母は、姉の鳴子が死ぬ半年前に鳴子の彼氏が全く同じように交通事故で死んだ事もあって、悪霊にとりつかれているのではないかとか
一時期真剣に怪しい霊媒師のところに通っていたりもしていた。

要するに病んでいるのだった。
とまれ、卓也は深夜の行列に出かけて行った。

 

購入したスマートフォンに「これで卓也君と色々連絡が取りやすくなるね」と大げさに喜ぶまみず。
そして卓也とまみずはアドレスを交換した。

 

ある日まみずの母親の律にも会った。

彼女は卓也のことを快く思っていないらしい。
そんな折、卓也のイヤホン(姉からもらった)が断線して落ち込んでいるところを見ると、まみずが「ちょっとイケないことをしてみようか」と新しいイヤホンを買いに行く提案をしてきた。

 

基本的にベッドから離れてはいけないので看護婦に見つかったら”ゲームオーバー”だとゲーム感覚で売店へ向かった。
無事イヤホンは購入したが、ふらっとするまみず。力も入らず、卓也もどうしていいかわからなかったため、結局看護婦を呼ばねばならず、ちょっとした騒ぎになってしまった。

案の定律からは「あなた、あんまり来てほしくないの」と言われ、まみずの担当看護婦の岡崎からも「あまり無茶させないで」と釘を刺されてしまった。
律の「これを機にもう来ないで…」と言ったところで、まみずは泣き出し「怒るなら私を怒って」と目を真っ赤にして卓也をかばう。
まみずにストレスをかけたくない律と岡崎は何事もほどほどに…と立ち去って行った。

 

それでも[死ぬまでにしたいこと代行]は続けられていた。
次のミッションは”なんで両親は離婚したのか、その理由を、お父さんに聞きたい”だった。離婚の原因が自分にあると思っているようだった。
まみずの父の深見真から離婚の真相を聞く卓也。理由はまみずのせいではなく、まみずのためだった。

病室に戻った卓也は、離婚の理由を真摯に伝える。
それでも「私が病気になってなかったら二人は別れて無かったよね」とか「私なんか生まれてこなければよかったね」
「私は病気になって身の回りの人を不幸にしているだけ。病気が治って生きられるならそれでもいいかも、でも私は死ぬから意味がない」
という。

 

なんて言ったらいいかわからず沈黙している卓也に
「卓也君だって迷惑だよね。私、みたいな病気の女の子の言うことを聞いてくれて。もう卓也君に甘えるのもやめるね」
と言われ、何を言っても軽い言葉になってしまう、嘘くさい言葉になってしまうと考えながら、
「『死ぬまでにしたいこと』のリスト、まだたくさんあるだろう?次は僕、何をすればいい?」と言っていた。
まみずの「でも嫌じゃないの?」の問いに「まぁ…嫌じゃないかな」と素直になりきれない答えを返し
「卓也君って、もしかして、すっごくいい奴?」とまみずがいい、この関係はまだまだ続くことになりそうだった。

 

2章 最初で最後の夏休み

春先に出会った2人だったが、いつの間にか夏休みに。卓也の生活は、気づけばまみずの事中心になっていた。

次のまみずの[死ぬまでにしたいこと]はメイド喫茶でバイトしてみたいということから、メイド喫茶のキッチンスタッフとして働き出した卓也。

そこでなにかと気にかけてくれる1つ上の先輩”リコちゃんさんと出会う。

家に帰って何気に入った鳴子の部屋で中原中也の詩「春日狂想」を発見し、姉が赤線を引いている箇所を発見する。そこには”愛するものが死んだときには、自殺しなきゃあなりません”と書いてあり、鳴子の彼氏が死んだあとの鳴子の事を思い出していた。

その後も様々な[死ぬまでにしたいこと]の代行をしていたが、ある日香山から「手伝ってほしいことがある」と呼び出される。
香山によると、女性関係の整理(彼女を作らないと公言しており、複数に手を出している)をしたいといい、順調に別れられているが一人だけ厄介だから、代わりに別れ話をしてきてほしいというものだった。
卓也は呆れはて、断るが、しおらしい態度の香山に「もう追いつめられて頭がおかしくなっている。とにかく直に会って相談したい」とファミレスに呼び出されたが、待ち合わせの席に座っていたのは、担任の芳江先生だった。

無事(?)芳江との別れ話を済ませた卓也は、バイト帰りにまみずの[死ぬまでにしたいこと]”クラブで踊り”を実行するためにクラブへ向かおうとするとリコちゃんさんもついてくるという。

バイトのフォローもよくしてくれるし、クラブでナンパされてるのを助けたりしてリコちゃんさんとの絆も深まっていく。

後日リコちゃんさんとクラブへ行った時の話をすると、まみずはどうやら焼きもちを焼いているようで、火を噴いてみたいとか無理難題(後に実行)をいっていたが、検査の為看護婦に連れられ退出してしまった。

 

その時卓也はまみずの読んでいた雑誌のドッグイヤーを発見する。
そこには赤いハイヒールが載っており、卓也はなんとなく携帯で撮影した。

 

その後もまみずが飼ってみたかったペットの亀を購入したり、様々な無茶ぶりをこなしていく卓也。
そうして順調に親交を深める2人。雑談の中で足のサイズも聞き出すことに成功し、雑誌に載っていたハイヒールもプレゼントした。
なかなか外に出られないまみずだが、検査結果が良かったら、2人でどこかに出かけようという約束もした。

 

卓也が自宅で日帰りでも行けそうな場所を探そうと雑誌を読んでいるとまみずから”検査結果がでた。全然、良くなかった”というメッセージが届いた。
病室に行くと、検査結果で落ち込んでいるのか、いつになく弱気になっているまみずがいた。
なんとか元気を出させようと「次、何がしたい?」と聞くと、少し無理をしたような声で「天体観測がしたい」と言った。

 

病院でも屋上で天体観測ができるじゃん!と気づいた卓也は、バイト代をほぼ使って望遠鏡を購入し、面会時間を過ぎた病院に忍び込んだ。
いきなり来た卓也に驚いたまみずだったが、何とかばれずに屋上へたどり着いた2人。望遠鏡をセッティングしていると後ろから「やだ」と聞こえ振り返る卓也。

忘れかけていたが、まみずは「発光病」なのでパジャマから除く素肌が月に照らされ淡く光っていた。
まみずは恥ずかしいと言ったが、卓也は思ったことを素直に「綺麗だよ」と言った。

望遠鏡を覗きながら、話題は卓也に好きな人はいるのかということに。様々な話題の後、しばらく2人は無言になった。
「まみず、僕、君のことが好きだ」
卓也は急に告白する。長い長い沈黙があったので「冗談じゃないよ」と真面目に言う。待っている卓也にまみずは
「ごめんね」
と涙声で返した。

 

3章 君とロミオとジュリエット

卓也の高校の文化祭で演劇「ロミオとジュリエット」をやることになった。
卓也はジュリエット役に立候補し、ジュリエット役になった。もちろんまみずの[死ぬまでにしたいこと]の代行だ。
ロミオ役には香山が立候補した。

 

場面は変わり、卓也はいじめから救ってくれた時から香山に”恩”があり、敬意を払っていること、香山の兄が鳴子の彼氏で、鳴子が死ぬ半年前に交通事故で死んだことの回想が入る。

その後の香山と、香山の”女性関係の整理”が付いたことを話す。

そして香山は「渡良瀬まみずに会いに行こうと思うんだ」と言った。
香山は、中学受験の際にまみずと会っていること、その時の優しさからの一目ぼれをしてしまった事を話し、まみずに告白することを打ち明けた。
卓也は僕も渡良瀬まみずが好きなんだ。そして告白した。ということを香山に言えず、「今度二人でまみずに会いに行こう」と提案した。

 

数日後、卓也は香山とまみずを引き会わせる。まみずは香山と受験時に会ったことを覚えているようだ。
そして香山は「二人にしてくれないか」と卓也を外に出し、告白した。
卓也がもやもやしたまま病室の外で待っていると、数分後に香山が出てきたが「悔しいよ」と言ったきり、立ち去ってしまった。
追いかけるかどうか迷った卓也だったが、結局そのまままみずのいる病室に入った。
そして香山の告白を”好きな人がいるから”と断ったことを聞いた。

 

ある日のバイトで「最近岡田君なんか変じゃない?」とリコちゃんさんから言われてしまう。
会話の中で卓也がフラれたことを告げると、好きな人がいた事に驚いたリコだった。
バイトの帰り道、そろそろバイトもやめるかもしれませんという卓也を「二人でどっかに遊びに行かない?」と誘うリコだったが
卓也は「ごめんなさい」と言って断った。

 

リコちゃんさんと別れた後、無性にまみずに会いたくなった卓也は、夜の病室に忍び込んでしまう。
「バカなの?時間考えてよ」と言うまみずだったがまみずはすぐに「見て」といい腕を窓の外に出す。
「前より光が強くなってない?それだけ悪くなってるってことだよね?」と他人事のように言った。
どう返事をしていいかわからなくそっけなくなってしまった卓也に、「卓也君って大切な人を亡くした事があるんじゃ?」と聞き、「そんなことないよ」と嘘をついた卓也。

 

「なんか慣れてるみたいな気がしたから」というまみずに「なんだよそれ、帰るよ」と来たことを後悔する。

そっけなく、怒っているように見える卓也に「怖くて眠れないって言ったら、朝まで一緒にいてくれる?」というまみず。
そんな弱気なことを言うのは初めてだったので、卓也は朝までいようと決意し、ベッドにもぐりこむ。
脊髄液を取って明日検査をすることや、病気への不安を話していたまみずだったが、卓也が狸寝入りしている間に眠ってしまった。
ほんとに朝までいたら起きた時に騒ぎになると気づいた卓也は、そっと帰宅した。

数日後の病室で、それとなくまみずの好きな人を聞き出そうとする。
「私は誰も好きにならないように努力しているのです。だから、その邪魔をしてもらっては困ります」
この時までまみずは手編みのマフラーを病室で編んでいたのだが、それをお母さんには見つからないようにお父さんに渡してほしいと言ってこの話題は終わった。

その後まみずの父の真と会い、交流を深めている卓也。真からは卓也へのプレゼントとして、”スノードームの作り方”の本をもらった。
材料はホームセンターでも揃いそうだった。

 

2学期が始まり、まみずに会う頻度は減ってしまったが、会うたびにまみずの顔色が悪くなり痩せて行った。死期が近づいているようだった。
憂鬱そうで元気もなく、目も合わせてくれないまみずに卓也は「次、何かしたいことないの?」と聞くが、
「寝たい、もう卓也君来なくていいよ」という。

冗談だと思う卓也だったがまみずの

「つらいからあなたの顔、見たくない。」

「人として嫌い」

「もう二度と会いに来ないことが最後のお願い」

と言う言葉に嫌われようとしてそういうことを言っているのかと思いながらも「わかったよ」とわかってないのに言ってしまい、病室を後にする。

帰りながら全部悪い夢で、忘れてしまおうと思い、心の中で悪態をつきまくるが、結局まみずのことを忘れられるのだろうかと言う自問に
無理だと思ったのだった。

 

まみずと会わなくなって2週間後、学園祭の前日になった。

 

演劇の準備の最中、卓也と香山はまみずの話題になった。
そこでまみずの[死ぬまでにしたいこと]の代行をしていることを打ち明ける卓也に「じゃあ明日はお前をまみずだと思って演じればいいのか?」と言う香山に「泣けるな」と返す卓也。

 

ふと香山が「あと2か月なんだよな…」とさも知っているだろ?という風に投げかけるが卓也はそんなこと聞いていない。
香山は告白した時に聞いていてらしい。

あと2か月と言うことも、自分がそれを知らなかったことにも卓也はショックを受けた。

「僕もフラれたんだよ」と打ち明ける卓也に、「いつもそばにいてくれて、でも決して手を触れちゃいけない人」とまみずが好きな人の話をしていたのを話す香山。
「お前のことだろ?」という香山に「ちげーしこないだ絶交したし!」と言いつつも、まみずに会いたくなった。

 

いつも通り夜に忍び込む卓也だったが、この日は看護婦の岡崎に拿捕されてしまった。
名乗る卓也に「やっぱりか」という岡崎。ひたすら謝る卓也だが、何やら忍び込んだのはどうでもいいという。
どうやらまみずと付き合っていると思われているらしく、「ケンカしたの?」と聞かれる卓也は「ただ…嫌われちゃって…」と返す。
「中途半端な事してんじゃないわよ」と怒る岡崎。岡崎によると毎晩まみずは「卓也君ごめんね」と泣いているらしく、何が彼女をそうさせるのかわからない。わかるのはこの世であんた一人だけといい去ろうとする。
去ろうとする岡崎に思わず「明日の演劇、まみずのために頑張るからと、それだけ伝えてくれ」という卓也に「気が向いたらね」といい、岡崎は去ってしまった。

 

翌日。ばっちりメイクのジュリエットで本番待機をしている卓也に、まみずから携帯にビデオ通話が入る。
「私の顔が見たいんだって?どう?」という目の下のクマもすごいし目も真っ赤で腫れているひどい顔なのにドヤ顔で言ったまみずに卓也は「誰がなんて言ったって、この世で一番君が綺麗だ」「行くぞ、まみず」といい、ビデオ通話をオンにしたまま本番に向かう。
途中で芳江先生に「クラスの一員で見たいと思うんで舞台に向けておいてくれ」と携帯を渡し、舞台袖に向かった。
待っていた香山にまみずが見てるよと伝え、ロミオとジュリエットが始まった。

 

「おお、ジュリエット、なんで死んでしまったんだ」というセリフの後に黙ってしまった香山を見ようと薄目を開けてみると香山は号泣していた。
卓也は先日の「お前をまみずだと思って演じればいいのか?」と言う言葉を思い出していた。
その後卓也のアドリブもあって事故気味に終わった劇だったが、まみずは満足そうだった。
香山も交えでまみずと通話していると、クラスメイトから打ち上げの誘いがあったが興味がないと断る卓也。
その瞬間「私、行きたい!」というまみず。ようはいってこいと言っているのだ。

 

そして後日そのレポートをしに会いに来いと。
ちゃんと行ってきてと念押しし、通話が切れた。

そのやり取りを見て香山は「お前今の感じでまだびびってんの?お前のこと好きじゃん」と言い、「うるさいよ」と卓也が返して打ち上げに参加することにしたが、結局途中で帰宅した。

帰ったものの暇だったのでホームセンターで買ってきた材料で”不格好なスノードーム”を完成させ明日まみずの病室に行こうと思っていた。

 

翌日スノードームをもって病室を訪ねた卓也だったが、ドアに≪面会謝絶≫と書かれており絶望した。
岡崎さんを求めてナースセンターに行くも不在。岡崎がもしかしたらまみずの病室の前を通るかもと淡い希望を抱きながら病室前のベンチに座っていたが、結局通らず、気づけば夜の8時を過ぎていて病院を追い出されてしまった。

帰り道、不安すぎて20回くらいメールを送ったが既読もつかなかった。
結局一睡もできず、落ち着かないため、外に出て様々な気晴らしをするがもちろん気が晴れるわけがない。
結構な時間がたって自暴自棄になっている時に電話が鳴ったので画面もみずにすぐに出る。

まみずだった。

「寝ちゃってた。心配した?」と言うまみずに「ああ。ごめんな。なんか気持ちが昂ぶっちゃって」と安心からか涙声になってしまった。

翌日まみずの病室に行くと腕に得体のしれない管をたくさんつけてはいるものの意外に元気そうなまみずがいた。
「生きててよかった」と言う卓也。
様々心配をしてくれていた卓也に、「まだちゃんと鳴ってるよね?」と心臓の音を聞かせようと抱き寄せるまみず。卓也は思わず強く抱き返し、まみずは引き離そうとするが離れようとしない。

「卓也君、心が苦しいよ。ねぇ、想像してみて。好きな人が死んだらつらいよ。しんどいよ。忘れられないよ。そんなの嫌でしょ?私、想像してみた。生きていくの、無理だと思う。だからね、やめよ?ここでやめよう」
と言うまみずに「うるさい」「つらくてしんどくていい。絶対忘れない」「好きなんだ」ともう好きな気持ちから逃げられないと思った卓也は再度告白する。

 

「そんなの困る」と言うまみずに「なんで?」と返してから、長い沈黙があった。
視線での長い長い攻防。卓也は目をそらさなかった。やがて怒ったようなまみずの目から涙が流れ出した。
それでも目をそらさずにいると、観念したようにぽつりと言った。
「私だって卓也君のこと、好きだから」

 

その後2人は日々を数えながら過ごしていた。まみずは比較的元気な日もあったものの、体調は安定せず、
「死ぬまでにしたいこと」を頼むこともなくなっていた。
卓也はバイトもやめた。

まみずとの時間を大切にしたいからとの理由だったが、”残りの時間を大切に”なんて死を受け入れているようで嫌だった。
まみずは口数も少なくなっていき、たまに卓也に「もう来ないで」「さよなら」とあたることも増えて、よく泣くようになった。
それでも卓也は、弱みを見せることに躊躇しなくなったと思い、嫌な気持ちにはならなかった。

 

その日はまみずが比較的元気な日で機嫌もよく、良く喋った。
「病気で死ぬのもしゃくだから、卓也君に殺してもらおうかな」
「僕はまだ刑務所に入りたくないな」
「じゃあ、二人で心中しよっか?一緒に死んでくれる?」
と笑えない冗談を言うが、二人してまじめ(?)に心中の方法を相談する。
様々な心中方法を冗談で言い合っても心が晴れず、もっとわかりやすいわがままを言ってほしかった。

「死ぬまでにしたいこと」を代行し、その報告に笑っていた欲しかった。と思った卓也は
「なんか、まだ『死ぬまでにしたいこと』はないのか?」と聞く。

「じゃあ、最後に」
「死んだらどうなるのか知りたいよ」
と言ったまみずに、姉の死や、香山に助けられたいじめの事からずっと生きてても死んでいるような感覚だった卓也は、いい方法が頭に浮かび、こう言った。
「まみず、今日の夜、もう一度来るよ」

 

家に帰って落ち着いて考えてみたが、考えが揺らぐことはなかった。
恋人に交通事故で先立たれ、後追い自殺をした鳴子の気持ちがずっと理解できなかった。
鳴子の部屋で見た詩集の一文を反芻した。-愛する者が死んだ時には、自殺しなきゃあなりません-
ようやくその絶望の意味が、人を好きになってしまった卓也にはわかった気がした。

 

夜中に病院に忍び込み、もう車椅子でしか移動できないまみずを屋上へ連れ出す。
屋上まではエレベーターが使えないため、おぶって天体観測をして以来の屋上へたどり着くと、
病気が進行しているまみずは、以前とは比べ物にならないくらい強烈な光を放っていた。
「蛍みたいで綺麗でしょ?」
「宇宙で、一番きれいだよ」
卓也はまみずをベンチに座らせる。
「私、卓也くんに出会えて本当に良かった」「もう何も、思い残すことはないよ」
「でも、僕も無いんだ。何も」
と言い、まみずの目を指で閉じさせた。「何?」というまみずに
「いいっていうまで、目、閉じてて。わかった?」
と言い、早足で屋上の隅に行き、柵を乗り越える。屋上は9階だ。だから確実だ。
あと半歩で落ちるというところまで来て言う。

「いいよ、まみず!」
目を開けて困惑するまみずに言葉を続ける。
「これから、僕は死ぬんだ。死んだらどうなるのか、まみずに教えるんだ」
「死ぬのなんて怖くないって、君に教える」

「…ばかなの?」

「怖くないわけ、ないじゃん!」

「怖いに決まってるじゃん!私だって本当はまだ、怖くてしょうがないのに!」
まみずは声を震わせる。

 

「僕は生きている方が怖いんだ」
まみずがいない人生が怖い。姉が死んでからも生きているのが後ろめたいと思っていた。
大切な人が死ぬ。それでも世界は続いていく。これより残酷なことがあるのか。
そんな世界に我慢が出来ない。
「僕が死ぬところをまみずは見て、どうなるか見て欲しい。死ぬことに興味があるんだろ?それは僕も同じなんだ。
だからずっと君に惹かれていたのかもしれない。僕は、君より先に死にたいんだ」
そしてまみずに背を向けた。

暗闇に慣れた目に飛び込むコンクリートの地面。これで鳴子の気持ちもわかる。と思った時、がしゃん、と柵の揺れる音がする。
驚いて振り返ると自力で歩けないはずのまみずがいた。
「どうでもいい」
「死んだらどうなるかなんて、どうでもいいことに今気が付いた」
単に卓也の行動をとめたいがために言っているのか。と卓也は思う。

「私、ずっとわかってたよ。卓也くんがもうすぐ死ぬ私に憧れてたこと」

 

ずっと心配だった。死にゆく絶望と生き残る絶望。人の絶望なんてわかることができないと思っていた。
まみずは死を受け入れ、執着を無くしていくために「死ぬまでにしたいこと」のリストを作っていたがつらかった。
こんなつらい思いをするなら生まれてこなければよかった。人生全部後悔の対象だった。
全てをなかったことにしたかった。と語るまみず。

 

「でも、そんな私を変えた人がいました。君でした」

 

他のすべてを諦められても、卓也のことは諦められない。卓也が死んだ未来を想像するがありえない。
その時にまみずは自分がこの世界にまだ期待していることに気が付いた。卓也が生きている世界と死んでいる世界では何もかも違うと。
そして封印していた欲望に気が付く。

 

「私は、生きたい」
「あなたのせいで、私はもう、生きたくてしょうがないの。だからもうすぐ死ぬ人にそんなことを思わせた責任を取ってください」

まみずの声は夜の屋上によく通り、透き通っていた。気負った表情で続ける。

「私の、渡良瀬まみずの、本当の、最後のお願いを、岡田卓也くんに言います。聞いてください」
「私は、これから先、生きたらどうなるのか、知りたいです。あなたと出会う前、自分が死んだらそれで世界が終わりだと思ってた。
死んで無になって認識できなくなったらそこが世界の終りだと思っていた。でも違うって気づかせてくれたのがあなたです。
卓也君が存在するこの素晴らしい世界の続きが、私は気になってしょうがありません。だから…」

 

「私のかわりに生きて、教えてください。この世界の隅々まで、たくさんのことを見て聞いて体験してください。
そして、あなたの中で生き続ける私に、生きる意味を教え続けてください」

 

「私の最後のお願い、聞いてくれる?」

 

それは完全なる敗北だった。卓也は思わず柵の方へ、”生”へと近づいた。

そして近くにあったまみずの唇を見て、迷わずキスをした。
まみずはすぐに唇を離したが、今度はまみずからキスをした。
好きだよ。愛してる。
卓也はそう何度もまみずに言った。

それから渡良瀬まみずは十四日間生きた。

 

4章 そしてもうすぐ、春が来る

「親愛なる岡田卓也さま。あなたはどういう気持ちでこの音声を聞いているのでしょうか」

 

まみずが最後に会いたがっていると連絡を受け、病室に行くも最期に立ち会うことができなかった卓也。
そこでまみずの父の真から手渡されたICレコーダーの音声だ。
十日前から少しづつ吹き込んでいたらしい。

 

「さて、実は私にはまだまだ、幾つか『死ぬまでにやりたいこと』が残っているのです。この音声を残すこともその一つでした。
それをこれから発表したいと思います。じゃかじゃかじゃかじゃかじゃん!」

 

最初のお願いは”夜の火葬場で死体を焼いて欲しい”ということ、それからまみずの葬式にちゃんとでること、
そしてクラスメイトにまみずが”彼女”だったと自慢することだった。
早死にしちゃったかわいそうな女の子にも素敵な彼氏がいたんだって自慢したいらしい。
卓也はその通りに実行した。

 

その後も細かな”お願い”を聞き、実行しているうちに四十九日になった。
真に一緒に墓参りに来ないかと誘われ、気恥ずかしさから最初はあとでこっそり行こうと思った卓也だったが、
それでは今までの自分と何も変わらないと思い、香山も誘い一緒に行くことにした。
ピカピカのお墓の前に行き、手を合わせて目を閉じる。
もうすぐまみずとであった春になる。でも卓也は死にたくはならなかった。
そしてICレコーダーを取り出して、あれから何度も何度も聴いてきたまみずの声をもう一度聴いた。

 

「お父さんが、電話であなたを呼んでいました。もうすぐきっと最後の瞬間がやってきます。
これが正真正銘、最後のお願いです。私は、幸せが好きです。そして今、とっても幸せです。
死ぬのは怖くてたまらないけど、怖くて怖くて心臓が止まっちゃいそうだけど。でも、もう怖くはありません。
幸せです。卓也君はどうですか?どうか私のために、幸せになってください。あなたの幸せを、心から祈っています。
渡良瀬まみずより、これが最後の通信です。
さようなら。
愛してます。
愛してる。
愛してる」

君は月夜に光り輝くの感想

初めは難病の少女と心に闇を抱える少年のありきたりな物語、相思相愛になるけど亡くなってしまって喪失感からどう立ち直る?香山との友情も素晴らしい!みたいな話かと思っていましたがそんな単純な話ではありませんでした。

この小説は「死にゆく運命を持った少女が、死への絶望を持った少年に”生”を与えるストーリー」だと思います!

結果的にヒロインは亡くなってしまう悲しい話ではありますが、この作品の焦点はそこではなくて、その少女が1人の少年を絶望から救う話なんですよね。

また友情や三角関係、子を思う親の気持ちなどまみずを取り囲む人間関係もリアルに描かれていて感情を揺さぶられます。

最期の願いに込められるまみずの思いには涙が止まりませんでした。

大切なシーンは夜であることも多くこの作品のタイトル「君は月夜に光り輝く」は発光病という架空の病気の設定にすることで、消えゆく命のはかなさや輝きを表しているのではないかと思います。

また実際に読んだ方の声にはこんなものがありました。

やはり感動や泣いた!という感想ばかりでした!

本当に涙が止まらなくなる作品なので電車の中やお店の中は危険かもしれません^^;

 

君は月夜に光り輝くの続編!

なんと、2019年2月23日に「君は月夜に光り輝く+Fragments」として続編が発売されるみたいです!

えっ?主人公が死んでしまったのに?と思いましたが内容は本編では語られなかったエピソードや、少しだけ大人になった卓也と香山のアフターストーリーとなっています。

大切な人を失くしてしまった後、まみずの最後の願いを胸にどう生きていくのかという姿が見られるかもしれませんね!

また漫画版「君は月夜に光り輝く 上」が2月22日に発売されることも決定しています!

下の発売日は公表されていませんので、映画の上映が始まってからの発売になりそうですね。

 

まとめ

君は月夜に光り輝くの原作小説についてネタバレとあらすじを結末までまとめてみました!

いかがでしょうか?読んだ気になれましたかでしょうか?

この作品はヒロインが死んでしまうのは避けられなかったですが、どれがただ悲しいとか切ないだけではなく、無気力だった少年に”生”を与え、絶望から”救った”深いストーリーでした。

映画化されますが涙必至の映画になると予想されますので見に行かれる際はハンカチを忘れずに持って行ってくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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