風立ちぬで菜穂子が療養所の外にベッドを置き寝るのは治療法?効果や真相は?

映画

2013年に公開された宮崎駿監督のジブリ作品「風立ちぬ」。

実在する人物で零戦の設計者である堀越二郎さんをモデルとした作品で涙腺崩壊、号泣必至の作品ですよね。

泣けるシーンの中で気になるのが菜穂子の結核治療。

寒い中外にベッドを置いて毛布にくるまるシーンはなぜ!?なんのために?と驚きますよね。

この記事では風立ちぬで結核に侵された菜穂子が、なぜサナトリウムで外にベッドを置きくるまっていたのか、その理由や治療法、効果についてまとめてみました。

菜穂子が病院の外で寝るのは本当にあった結核の治療法!

菜穂子の病 結核について

まず菜穂子が患っていた結核について少し説明します。

結核とは結核菌によって引き起こされる感染症で咳やくしゃみ、唾など飛沫によって空気感染します。

今の日本においては過去の病といった認識が強いですが近頃は再燃の傾向にあり、毎年約18000人が新たに発症し高齢化社会とともに今後増加する懸念がされています。

ペニシリンという抗生物質による治療法が確立され、ツベルクリン反応やBCGといった結核予防対策が進んだことで怖い病気という印象はなくなりつつありますが、昔は「不治の病」と恐れられ、またその高い感染力から国中に蔓延し「国民病」とも言われていました。

治療法が確立したのが1950年ころで、風立ちぬの時代のである1920年~30年ころはまだ治療法がない時代でした。

結核の昔の治療法

抗生物質による治療法がない時代、結核の治療法は「いい空気のところで栄養をたくさんとって安静にする」というものでした。

一部外科的処置をすることもあったようですが、適用となる患者は症状の軽い早期に限られました。

肺は呼吸器なので大気汚染の少ない綺麗な空気をと考えられたのでしょうね。

栄養を取って安静にするというのはもはや結核の治療法というよりは風邪もも含め薬を飲まず治す対処法で体力をつけて休めということですね^^;

療養所の外にベッドを置き寝る治療法の名前や効果

治療法の名前は「大気日光療法」

外にベッドを置き寒い中毛布にくるまるというかなり衝撃的なシーンですが、実は治療法として実際にあったものなんです!

その名は「大気日光療法」。

そもそもサナトリウムというのは結核治療のために日当たりのよく空気の綺麗な高原などに建てられた建物です。

そこで行われたのが「大気解放安静療法」と「日光療法」で合わせて「大気日光療法」というそうです。

簡単に言えば文字通りいい空気を吸って外気浴をして日光を浴びるということですが、紫外線を浴びるいうことが大事でした。

結核菌は紫外線に弱く直射日光にさらされると死んでしまいます。

さらに紫外線を浴びることで体内にビタミンDが生産され、免疫力を上げ結核菌に対抗するという意味もあったようです。

寒い中でも行われるものなのかは不明ですがこれに関しては現実的ではなさそうですね。

またこの効果ですが体力がそれなりにある人には効いたと言われています。

やはり自然治癒力を高めるような治療法で結核菌を根絶させるためのものではないので最終的には本人の体力次第な部分が大きかったようです。

気候療法でもある?

寒冷地に静かに横たわる気候療法というものもあるそうでこれも呼吸器疾患に有効な治療法だそうです。

効果としては持久力の向上やストレス解消、回復促進だそうです。

ただこの治療法の条件として軽度の寒冷であることや、直射日光や風から守られた屋外で実施されるというもののようなので、この風立ちぬのシーンは別物かなという気もします。

気候療法でも皮膚表面が少し涼しいと感じる程度に毛布などで調整するようですが菜穂子はとても寒そうですし、なにせ、風花が舞うレベルなのでかなり寒いのではないかと推測されます^^;

しかしこのような治療法を少し織り交ぜた可能性はありますね。

隔離や喚起の意味もあった?

当時不治の病と恐れられた結核はとにかく隔離が必至でした。

これは現在の治療法でも同じですが感染症なため治るまでは隔離病棟に入院となります。

昔は周囲に結核患者がいると分かれば村八分にされたり、差別を受けることがあったそうで自宅で看病する際においてもとにかく隔離して人目につかないように、また感染を広げないようにしていたそうです。

感染症は喚起がとにかく大切で、今は空気清浄機などもありますがそんな便利なものがなかった昔は寒くても窓を開けたりして空気の浄化を図っていたそうです。

ただこの映画に出てくるサナトリウムが富士見高原病院という実在する病院がモデルで結核患者が集まる病院なので外に出して隔離というのは違うかなという気はしますね。

部屋が空いてなく入れてもらえなかった?

もう1つの疑惑は患者でいっぱいで入れず外に寝かされたのでは?という説です。

この可能性はずばりないでしょう!

確かに昔、結核患者で溢れていたころ、隔離する必要のある患者を収容できる病院は少なく受け入れてもらえないケースはかなりあったようです。

仮に入れたとしてもかなりすし詰め状態だったとか。

しかしこの映画においては施設が当時お金持ちしか入れない病院であること、さらに菜穂子は資産家の令嬢という立場であることから入れてもらえず外に出されているということは考えずらいかなと思います。

まとめ

風立ちぬで菜穂子が療養所の外にベッドを置き毛布にくるまるシーンについて治療法なのか、その効果や真相についてまとめてみました。

・外にベッドを置き毛布にくるまるのは「大気日光療法」という実際に行われる治療法で効果は体力次第。

・喚起の意図や気候療法を交えていた可能性もある。

最後までお読みいただきありがとうございました!

関連:風立ちぬの結婚式の口上(セリフ)申すは方言?意味や菜穂子の髪型の姿についても解説

関連:風立ちぬの二郎と菜穂子は年齢差は?歳の差と年表から見る時代背景を解説

関連:風立ちぬの手紙で菜穂子が最後に残した言葉や内容は?山へ帰る理由について考察

コメント

タイトルとURLをコピーしました