風立ちぬでシベリアのシーンで子供が拒否した理由は?セリフの意味と堀越二郎の行動について

映画

2013年に公開された宮崎駿監督のジブリ作品「風立ちぬ」。

時代が1920年~1930年ころということもあり見慣れない食べ物も出てきますよね。

中でもシベリアというお菓子は昭和の人気スイーツであり、このシベリアが出てくるシーンは戦争の切ない側面を表す凝縮された場面となっています。

またこのシベリアは実在したお店のものがモデルになっています。

この記事では風立ちぬのシベリアのシーンで子供が拒否した理由やセリフの意味、またモデルとなったお店についてまとめてみました。

風立ちぬでシベリアのシーンで子供が拒否した理由やセリフの意味・堀越二郎の行動は偽善?

シベリアのお菓子を渡そうとするシーンは必要だった?

一見なぜこのシーンが必要だったんだろう?と思うようなシーンですが、実はこのシーンには戦争の矛盾について描かれた大切なシーンとなっています。

当時日本は満足に食事をできない子供が溢れる時代でした。

そんな中次郎は莫大な国家予算を使って美しい飛行機を作るという夢を追いかけています。

いわばその夢を追いかけるということは貧しい子供を犠牲にして成り立っています。

二郎や本庄の飛行機開発に投資される国家予算があれば日本中みんなの子供のお腹を満たすことができるからですね。

また劇中では飛行機をつくりたいだけという思いは戦闘機を作り戦争に加担してしまうという矛盾も描かれています。

生活に余裕があり、夢を追いかけている、またそれは人のためにという思いもあるにもかかわらずと悲しくもその影響を間接的に受けて貧しい暮らしをしている人がいるという現実を描いた切ないシーンですね。

堀越二郎の行動は偽善だったのか

本庄にお腹を空かせた子供にシベリアを与える行為を「偽善」と言われてしまい「違う!いやそうかもしれない」と認める二郎。

これは偽善だったのでしょうか?

個人的には偽善のつもりはなかったけど、結果的に偽善であると認めざるを得なかったのではないかと思います。

二郎は地震のときといい困ったら助けずにはいられないという一面がありますよね。

このお菓子をあげるというのも深く考えていなくて、単純にお腹を空かせている子供に食べ物をあげるという発想だけだったと思います。

しかし、本庄からしてみればそうやって良い事をしている自分に酔っているだけの偽善、またその後の面倒を見れるわけでもなく、夢を追いかけるのを辞めるわけでもない二郎が一時的に見せた優しさは本当の優しさではないと言いたかったのでしょうね。

結果的に受け取りを拒否されてしまうので本庄が正しかった、本庄が子供にとっては真の優しさだったのかもしれません。

二郎も自分がした行為が浅はかであったことに気付いたので認めるほかなかったのだと思います。

子供はなぜシベリアを拒否したのか

これは自尊心を傷つけられたからではないでしょうか。

この二郎の行動は子供にとっては貧しくて可哀想な子だと言われているようなものですよね。

実際は空腹でついシベリアを買う二郎を見てしまうわけですが、貧しくても施しは受けない!という小さなプライドもあったのでしょう。

しかも相手は自分を貧しい生活に追いやっている張本人でもあります。

そのことは子供にとっては分からなかったでしょうが、心を傷つけられたのは間違いありませんね。

シベリアは「妙なもの」?

本庄がシベリアを見て「妙なもの」というセリフに違和感を感じた方も多いのではないでしょうか。

このシベリアは簡単に言うとカステラに羊羹やあんこがサンドされた和洋ミックスのスイーツです。

この和菓子とも洋菓子とも言えないスイーツにたいして妙なものと表現したのだと思います。

また本庄は欧米との差について皮肉めいた発言を何度かしていますので、ケーキを真似たこのスイーツに対しても西洋欧米を必死に真似する日本を連想させこのような発言につながったのかもしれませんね。

しかしもしかしたら深い意味はなく単純に子供のお菓子を食べている大人という光景に「妙なもの」といったのかもしれませんが^^;

風立ちぬのシベリアのモデルの店は?

劇中のシベリアのモデルは東京にあるパン屋さん「サンローザ」というところです。

現在は残念ながら閉業されてしまい購入することはできませんが当時100円で販売されていたそうです。

こちらのシベリアはあんこではなく羊羹がサンドされていたそうで、見た目や大きさは風立ちぬに出てくるものとそっくりだったそうです。

店主によるとジブリの製作者と思わしき方があるとき来て100個近く購入していったというエピソードがあり、お客さんの話で作品に出ていることを知ったそうですよ^^

シベリアは今でも食べることができる?

シベリアは昭和初期、子供が食べたいお菓子No.1だったそうですが近年はあまり見かけません。

私自身失礼ながら食べたことはないのですが、調べたら意外と取り扱っているお店がありました!!

てっきりスイーツということでケーキ屋さんなどを想定していましたが、映画同様扱っているのはパン屋さんがほとんどでした。

「シベリア 販売店」で検索するといくつか出てきますのでお近くの店舗が探せるかと思います。

またネットでも販売がありました!

4月末頃出荷 カステラ かすてら しっとり生地に 自家製あんこ を塗り サンド しました 送料無料 お試しセット 九州 熊本 15個(3個包装x5) ※はちみつ使用【メール便商品】母の日 ギフト シベリアヤ好きに推薦お試 【smtb-k】【kb】【RCP】食フェスクーポン対象

こちらはあんこがサンドされているタイプのシベリアになります!

またヤマザキパンで「三角シベリア」という名前で販売されています。

こちらは羊羹がサンドされているシベリアになります。

お近くのヤマザキパンの取り扱いのあるスーパーなどで手に入れることができるかもしれません。

まとめ

風立ちぬでシベリアのシーンで子供が拒否した理由やセリフの意味と堀越二郎の行動についてまとめてみました。

・シベリアのシーンは矛盾を描いている

・子供が拒否した理由は自尊心を傷つけられたから

・「妙なもの」のセリフの意味はシベリアが和洋ミックスのスイーツだから

最後までお読みいただきありがとうございました!

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