2013年に公開された宮崎駿監督のジブリ作品「風立ちぬ」。
作品では戦争をテーマに当時流行っていた結核も取り上げて号泣必至の物語となっています。
中でも菜穂子が山へ帰るときに書いた手紙はいろんなことを連想させ涙腺崩壊のシーンですよね。
この記事では手紙で菜穂子が最後に伝えたかったことや、黒川家から山へ帰った理由についてもまとめてみました。
風立ちぬの手紙で菜穂子が最後に残した言葉や内容は?
菜穂子が山へ帰るとき、黒川夫人は机に置かれた3通の手紙を見つけます。
その手紙にはいったい何が書かれていたのでしょうか?
劇中には書かれていませんがこれまでの話の流れから考察してみました。
加代宛ての手紙の内容は?
幼いころは二郎のあとを「にいにい様」と言っては追っかけていましたが立派に医者になり、菜穂子の診察を定期的にしていた加代。
二人の関係性はただの医者と患者や、兄嫁と義理の妹というような距離感ではなく、加代はいつも菜穂子の味方でとても仲良くなっていました。
そんな彼女への手紙は「感謝」そして「今後について」ではないでしょうか。
加代は手紙を読んで山へ帰ることを知り呼び止めようとします。
結果的にそれは黒川夫人によって阻止されるわけですが、きっと手紙の中にもう先が短いことを考えて、自分が山に戻る選択をしたことが書かれていたのでしょう。
そんなことをしたらきっと止めてくれるであろうことを知っていた菜穂子は山に帰る真意を敢えて書かなかったのかもしれませんね。
黒川家への手紙の内容は?
黒川家と二郎たちは切っても切れないくらいの深い縁で繋がっていますよね。
黒川は二郎の上司ですが上司と部下ではなくプライベートでも密接に関わっており、客観的に二郎を正しい道に導いてくれるような人ですね。
黒川の発言には厳しいことを言っていてもその裏にはいつも二郎を思う優しさを感じ取ることができます。
黒川夫人に関してははありのままの菜穂子を受け入れて婚礼の準備も率先して行ってくれて、菜穂子にとっては非常に強い信頼をよせる人であったことでしょう。
そんな二人に伝えたかったことは「感謝」と「二郎のこの先について」ではないでしょうか。
今までの恩から感謝は間違いないとして、菜穂子は自分が山に帰ると言えばその真意をくみ取ってくれることは分かっていたのだと思います。
実際に加代が連れそうとしたときに「美しいところだけ、好きな人に見てもらったのね」とすぐさまその理由について理解を示しています。
そんな菜穂子は自分の先がないことを悟ったとき、もっとも気にかけたのはこれから生きていく二郎のことではないでしょうか。
一番の理解者である黒川に二郎を今後も見守ってもらえるよう頼んだのではないかなと思います。
二郎への内容は?
もうこれは感謝に尽きると思います。
余命幾ばくもないことが分かったうえでそんな自分を受け入れ愛してくれた。
たくさんの愛を綴ったことは間違いありませんね。
また、このような形で二郎の前から姿を消すことの謝罪や、二郎の飛行機の夢を応援する内容も書かれていたかもしれません。
ありきたりですが姿を消した後も心配しないで、二郎は精一杯生きて欲しいと書いたのではないでしょうか。
もう想像するだけで泣けてきますね・・・
菜穂子はなぜ山に帰るのか?その理由は?
せっかく二郎と結婚したもののほどなくして山に帰るという選択をします。
この選択の意味は黒川夫人が話すように「美しいところだけ、好きな人に見てもらう」、つまり病気で苦しむ姿を見せないためであったということですね。
作品の中でも菜穂子が喀血したと慌てるシーンがありますが、結核の死期は本当に苦しく死因は窒息死がよくみられるそうです。
菜穂子は喀血する姿や苦しんで死にゆくさまを二郎に見せずに、綺麗な姿の自分を記憶しておいてもらいたかったのでしょうね。
菜穂子はとても芯の強い女性ですよね!
見苦しい姿を見せないと同時にこれからも生きていく愛する二郎さんを死に際の自分の姿で苦しめないためにもこの選択をしたのではないかと思います。
まとめ
風立ちぬの手紙で、菜穂子が最後に残した言葉や内容と山へ帰る理由について考察してみました。
劇中では明らかになっていませんので見た人それぞれの想像に任せるというようなかたちですが、きっと気高く、強く美しい菜穂子らしい文章がしたためられていたことでしょうね^^
最後までお読みいただきありがとうございました!
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