コナン緋色の弾丸の狙撃は飛距離など物理的に可能?重力は真空トンネルでどうなる?

映画

2021年に公開された劇場版名探偵コナンシリーズ、24作目の「緋色の弾丸」

この作品の最大の目玉は赤井秀一の狙撃ではないでしょうか。

劇場版コナンシリーズでは毎回ド派手な演出、いや現実ではありえないようなシーンが盛り込まれますが今作もなかなか手の込んだラストとなっています。

この記事では緋色の弾丸の狙撃について、実際に可能なのか?また真空トンネルを利用した狙撃ですが重力は働いていないのかなど赤井秀一の狙撃が成功した理由について考察してみます。

緋色の弾丸の狙撃は実際に可能なのか?

赤井秀一がこんなにも離れた距離で狙撃を見事成功させたのにはいろんな要素が加わっています。

1つ1つ可能にした条件を振り返りながら考察していきます。

赤井秀一とリニアの狙撃距離

赤井秀一と狙撃したリニアの距離はどのくらいでしょうか。

赤井秀一は名古屋から山梨に向かうリニアに向けて発砲します。

実際どのくらいの距離かというと、10万ヤード、距離にすると100kmほどの距離となります。

赤井秀一と言えば狙撃の名手で過去にも異次元の狙撃手という作品で2200mほどの直距離狙撃をしていますがそれを優に超える距離です。

現実に置いて狙撃の世界最長記録は2017年にカナダ軍の狙撃兵がイスラム国の戦闘員に向けて放った狙撃で3540mとなっています。

これでも十分びっくりする距離ですが、赤井はその何倍も超える距離を狙撃してみせました。

 

成功要因①真空トンネル

そもそもこんな長距離を弾丸が飛び続けることができるのかですが、通常であれば不可能と言えます。

なぜなら放たれた弾丸は空気による摩擦抵抗を受けるため速度も落ちるし、飛び続けることはできません。

しかし今回は真空という特殊な環境下での狙撃だったため、弾丸が空気抵抗を受けることがなく速度を落とさずに飛ばすことができました。

 

成功要因②銀の弾丸

狙撃する時に赤井秀一は通常の弾丸ではなく銀の弾丸を使っていますがなぜそうしたのでしょうか。

通常の弾丸は磁力に影響を受けやすい素材でできています。

対して銀は磁力の影響を受けにくい素材なのです。

これの理由はリニアの仕組みに関わってくるのですが、ざっくりというとリニアは超電導磁石というのを車両と地上に用いて、N極とS極のくっつく力とN極同士・S極同士の反発する、退け合う力にを利用しています。

そのため磁力の影響を受けやすい弾丸を使うと思い通りの軌道を描けなくなってしまうのです。

なので赤井秀一は銀の弾丸を使うことで狙いから狂うことなくターゲットを狙撃できました。

 

緋色の弾丸の狙撃に重力は関係しない?

さて、成功要因を上げましたが、重要なことが抜けていますね。

地球には重力という力が働いています。

ではこの狙撃ではどうやって重力の影響を避けたのか考察していきます。

真空下でも重力は働く

まず、重力は真空の環境下でもしっかりと働いています。これは避けようがありません。

ということは、赤井から放たれた弾丸は徐々に下に落ちていくはずなのです。

真空の状態で弾丸のスピードは維持できても、重力に逆らうことはできません。

それなのにどうして狙撃できたのかを考えていきます。

 

重力も計算した上での狙撃?

1つの仮説は赤井秀一が狙いを定める際に重力も計算した上で狙撃したという可能性です。

赤井秀一は狙撃の腕前もすごいのですが頭脳も新一に匹敵するほどのものを持っています。

そんな彼なら重力も計算した上で弾丸を放ったのかもしれません。

しかし劇中では気になる言葉がありました。

 

弾丸は渦電流によって浮いていた?

作品の中で「リニア浮上用の電磁石との間に起こる電磁誘導の原理で浮上した銀の弾丸」という表現がありました。

つまり弾丸は重力の影響はあったけれど浮いていたということです。

これにはまたリニアの仕組みからの説明になるのですが、リニアはそもそも地上から10cm程浮いて走行します。それはリニアには浮上・案内コイルというものがあり、車両の超電導磁石が高速で通過するときにこのコイルが電磁石の働きをして車両を磁力の反発利用して押し上げたり、逆に吸引力を利用して引き上げ浮上させます。

この電磁石によって弾丸は電磁誘導の影響を受けます。磁石にくっつかない銀でも磁力の影響は受けます。

この影響を受けた弾丸には渦電流が発生し浮いていたという説です。

フレミングの法則やアラゴの円盤の原理に基づいたトリックというか技ということですね。

作中内の言葉通りであるならばこのような磁石による電磁誘導によって重力を受けてたけども浮いていたという方が正しいのかなと思います。

ちなみに今作ではリニアを用いた難しい演出に、超伝導工学者である村上雅人さんが、「真空超電導リニア」など脚本の技術監修をされています。

この方はバルク超伝導体の開発者という全く理解できませんがすごい発明をされている方で、Wikipediaには発明特許した一覧が記載されていますがものすごい数です!!

そんな方が監修されているので、簡単には説明できない、そして理解も難しいいろんな原理を組み合わせてこの狙撃を成功させたのではないかと思います。

 

まとめ

緋色の弾丸の狙撃は実際に可能なのか、真空トンネルでの重力の影響についてまとめてみました。

結論としては、理論上ではこれだけの条件が整えば不可能ではない、でも実際にできるかといったら実現できる人間はいないのではないかというぐらい難解な技ということではないでしょうか^^;

あくまでもコナンはアニメでありフィクションなので実際にはありえないけどすごい神業だ!と楽しむのがちょうど良いのかもしれませんね。

最後までお読みいただきありがとうございました!!

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